Soup Stock Tokyo

Beer Friends 特別編
Yukiko Senoh × Yoshiko Murata × Mariko Asai

ついに梅雨が明け、ビールの季節がやってきました。今回は通常の「Soup Friends」はお休みし、夏の幕開けを祝してビールをこよなく愛する女性たちにお集りいただきました。「Beer Friends」と題し、それぞれビールの楽しみ方や、お酒との付き合い方についてお話を伺いました。何はともあれ、まずは乾杯から…。

瀬尾裕樹子(フードディレクター) × 村田善子(イラストレーター) × 浅井茉莉子(株式会社文藝春秋)

― 瀬尾裕樹子(以下「瀬尾」)

最近、女性の間でビールが流行っているのは、私たちが『ビール女子』をやっているからだと密かに言っているんですが(笑)、「私もビール女子なんです」とか「ビール女子って私のことだと思っていました」という方が、本当にたくさんいます。それは、カフェでもビールをたくさん置いているところが増えていたり、ビアバーや店内に樽を置いて自家製ビールを目の前で注いでくれるようなビアレストランが次々にオープンしたり・・・と、いろいろなことが重なっているのですが、少なくとも、今までは“とりあえずビール”という居酒屋スタイルしかなかったので本当に喜ばしいことです。だから、ビール好きの女性が急に増えたのではなく、これまで潜在的だったものが、ここに来て顕在化してきたということかもしれないですね。

― 村田善子(以下「村田」)

私もビール大好きです。最初の一杯はやっぱりビールです。

― 瀬尾

最初にビールを飲んで、そこから他のお酒にいく感じですか?

― 村田

ひたすらビールだけを飲む時もありますよ。ビールの種類も増えてきているので嬉しいですよね。思ってもいない味が体験できたりするので楽しいです。昔って、ビールというと、どこのメーカーも同じような味でしたけど、種類やお店が増えたことによって、ビールに対する考え方も変わってきた気がします。

― 浅井茉莉子(以下「浅井」)

私も最初の一杯はビールを飲むことが多いんですが、「今日はビールを味わいたい!」という時は、ビアバーにも行きます。あと、二杯目からは他のお酒にうつりつつ、最近は、最後にビールへ戻ってくるようになりました(笑)。学生の頃はとりあえずビールをピッチャーで!という飲み方でした。正直、その時はビールの味なんて分かっていなかったので勿体なかったですね。ビールって、ちゃんと味わうとほんとう奥深いしおいしいですよね。

― 村田

私は仕事柄、ひとりで作業することが多いので“頭を切り替えるために飲みに行く”というのが二十代でした。でも最近は、切り替えというより普通に飲みに行っちゃいます。

― 浅井

そうなんですよね。切り替えっていうより、何となく「直接家に帰るのもなぁ~」っていう時ありますよね。

― 村田

分かります、分かります。なんか“一拍”置きたくなるんですよね。リフレッシュというか、ただ“ひとりでいる”っていう時間が欲しいんです。それはけっこう贅沢な時間なのかもしれませんが、今はもうそれがないと無理かなっていうくらいです。“自分の気分をどうコントロールするか”って、女性にとってはけっこう重要だったりして…。最近では、友人とワイワイ飲んでさんざん酔っぱらっているのに、帰りに家の近くの店にひとりで寄っちゃうというパターンも(笑)。

― 浅井

その気持ちわかります(笑)。私がひとりで飲みに行くのはもっぱら平日ですが、忙しい時の方が行きがちかもしれません。ちょっと立ち止まる時間が欲しいというか…。お酒を飲んでいる時は何の目的もないので、自分に“余白”みたいなものを作っている気がするんです。私は普段せわしなくしているので、気が付くと「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」となっていることも多くて、そういう時間を持つことで面白いことが浮かんだり、大事なことに気付けたりします。

― 瀬尾

“余白”は大事ですよね。それがないと新しいものが入ってくる余地がないですもんね。それは、別に酔っぱらいたいわけではないんですよね。だからこそ、普段よく行くお店や入りやすいお店でサクッと飲めると本当にありがたい。Soup Stock Tokyoだけでなく、コーヒーショップやハンバーガーショップでもビールを置いているお店が増えてきましたが、どんどんそうなって欲しいですよね。

― 村田

浅井さんは、ひとりで飲む時はどんなふうに過ごしているんですか。

― 浅井

たまに本を読んだりしますが、飲みながらだと翌日ぜんぜん話を覚えていなかったりするので、基本はボーっとしています。BARの場合は、その場にいる方やバーテンダーさんと会話をしたりもしますが、その距離感も大事ですよね。干渉され過ぎず、放っておかれ過ぎず。

― 瀬尾

村田さんは絵を描いたりするんですか。

― 村田

簡単なスケッチみたいなことはしますね。その時の気分を少しカタチにしてみるというか…。

― 瀬尾

じゃあ、Soup Stock Tokyoの『わたしの乾杯ストーリー』も、文章だけでなく絵も投稿できるようにしちゃうとか?

― 浅井

それ良いですね。ぜひ見てみたいです。TwitterやInstagramが普及して、みんな自分の思っていることを発信することに慣れてはいますが、飲んでいる時って、直接の知り合いに伝えたいわけじゃない“何となくこぼしたい話”があったりしますよね。それをボソッと言うにはちょうどいいし、飲みながら見るにも理想的な感じがします。

― 瀬尾

ちなみに、皆さんひとり飲みの予算ってどのくらいですか?

― 浅井

行きつけの店ではボトルを入れているので計算しやすいのですが、二千~三千円でおさめたいですね。

― 村田

ですよね。四千円になっちゃうと辛いかな。

― 浅井

そして値段もそうですけど、料理もけっこう重要ですよね。ひとりで飲みに行って料理がおいしくないと寂しくなる。

― 瀬尾

ホントその通りです。私の場合、ひとり飲みが好きなのは、お酒を含めた食事がゆっくり楽しめるから、というのもあるので料理は重要です。でも、聞いたところによると、二十代の飲酒率は男性より女性の方が高いらしいですよ。

― 村田

ホントですか!? でも、確かに私のまわりでも若い男性はあまり飲まないかもです。

― 浅井

小説家の方々も、最近では女性のほうが飲む印象があります。おいしいお酒で会話も進み、飲まないともったいないと思ってしまいます(笑)

― 瀬尾

もったいない…。ホントその言葉に尽きますね。ビールに限ったことではなく、お酒っておいしいし、飲むって楽しいのに。ビール・ブームもまだまだってことですね(笑)。

浅井茉莉子(あさい まりこ)

2007年株式会社文藝春秋に入社。いくつかの編集部を経て、現在「文芸出版局第二文藝部」に所属

村田善子(むらた よしこ)

神奈川生まれ。イラストレーター。主に書籍の装画や雑誌、絵本などのイラストレーションを手掛けている。最近では動画やテキスタイルの分野にも活動の場を広げ、それらと平行し自身の生活感覚を軸にした作品を個展などで発表している。

瀬尾裕樹子(せのお ゆきこ)

クラフトブルワリーで勤務していた経験から、ビールの多様性を広く伝える活動BEERISTA.TOKYOを2016年に設立。WEBマガジン「ビール女子」創刊編集長。その他メディアでのビールに関する執筆多数。監修本「ビール語辞典」(リースえみ著 / 誠文堂新光社)も絶賛発売中。

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