17世紀のオランダの画家・フェルメールが描いた
「牛乳を注ぐ女」からインスピレーションを得て、
2018年秋、Soup Stock Tokyo の新たなアートスープ
「フェルメールの”牛乳を注ぐ女”のスープ」が生まれました。
この春に開かれるフェルメール展(大阪展)では、
残念ながら表題作品の展示はありませんが、
日常の何気ない風景から名画を生んだフェルメールに
ちなみ、2月1日より京都店にて、2月5日よりルクア大阪店、
阪急三番街店、あべのhoop店にて期間限定でご用意いたします。
お問い合せ 06-4301-7285
(大阪市総合コールセンター なにわコール 年中無休 8:00~21:00)
https://vermeer.osaka.jp/
※東京展は終了しました。
ゴーダチーズが溶け込んだ濃厚なミルクのスープに胡桃とレーズンのパンを合わせました。マスタードソースが爽やかな酸味を加えています。
(also Soup Stock Tokyo、おだし東京、家で食べるスープストックトーキョー各店を除く)
X線照射で調べてみると、もともと壁には地図(または絵画)があり、床には洗濯かごがあったそう。それらを消した理由は、作品の主題を「この一人の女性」として明確に描くためだったという一説も。
前掛けやテーブルの布は、別名フェルメールブルーといわれる、気品ある瑠璃色。卓越した観察眼は色彩だけでなく質感にも行き届き、奥にある金物の冷たさ、パンの粗い肌触りなど高密度で風景を捉えています。
作品には、牛乳やパンが描かれていますが、それ以外にスープを作るための手がかりはどうやって集めるのか。専門家の方とともに時代考証をおこない、作品から分かることだけでなく、当時の食文化に関する史実を頼りに想像をふくらませてスープを開発しました。その過程で語られたキーセンテンスをご紹介します。
試食会での試作品は、じゃがいもの食べ応えあるスープ。しかし、当時、じゃがいもは、花を観賞することはあっても、食用としては普及していなかったのです。そうした史実もレシピに織り込みました。
作品の中のパンの質感からヒントを得て、それを思わせるような堅いパンを探しました。作品へのオマージュとして、堅いパンに牛乳の代わりにスープを注ぐ所作を取り入れました。
スープの色は、作品の中の壁の印象に。さらには、フェルメールが試行錯誤の末にたどり着いた「余白」を表現するために、シンプルな具材を選びました。
題材となる牛乳をメインにすることを最初に決めて、オランダ産ゴーダチーズを溶け込ませることで味に奥行きを持たせています。
オランダときいて想起されるあの「風車」は、実はマスタードを挽くためでもありました。チーズにマスタードをつけて食べるオランダの食文化を取り入れました。
商品を決める最終過程に、実は3つの試作品がありました。どれも個性が光り、Soup Stock Tokyoとして胸を張っておすすめしたい出来栄え。そこから選ばれたのは、“酸味が効いた発酵感のあるスープ”、3つの試作品のなかでも一番クセのあるスープが、この名を冠することになりました。
その決め手は、作品の世界観に一番近い味わいを感じることができるから。
選ばれたスープで使っている食材は日常的なものですが、スープになると良い意味で“ふつうでない驚き”があります。熟考を重ねた私たちが大切にしたのは、「この作品から生まれたスープとして印象に残ること」。
このスープは、私たちにとっての「作品」なのです。
これまで国内の数多く美術展で監修を務め、成城大学名誉教授・広島県立美術館の館長である千足伸行さん。美術を社会と響き合う存在として捉え、数えきれないほどの作品と向き合ってこられた千足さんに、アートとの付き合い方についてヒントをいただきました。
Soup Friends