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日常の中に、
美を見出す。


17世紀のオランダの画家・フェルメールが描いた

「牛乳を注ぐ女」からインスピレーションを得て、

2018年秋、Soup Stock Tokyo の新たなアートスープ

「フェルメールの”牛乳を注ぐ女”のスープ」が生まれました。

この春に開かれるフェルメール展(大阪展)では、

残念ながら表題作品の展示はありませんが、

日常の何気ない風景から名画を生んだフェルメールに

ちなみ、2月1日より京都店にて、2月5日よりルクア大阪店、

阪急三番街店、あべのhoop店にて期間限定でご用意いたします。

企画監修:林綾野(アートキッチン) 
協力:株式会社 博報堂DYメディアパートナーズ 株式会社スティルウォーター
  • VERMEER


    フェルメール展(大阪展)

    会期
    2019年2月16日(土)~5月12日(日) ※2月18日、25日、3月4日、11日、18日休館
    開館時間
    9:30~17:00(入場は閉館の30分前まで)
    会場
    大阪市立美術館(天王寺公園内)

    お問い合せ 06-4301-7285
    (大阪市総合コールセンター なにわコール 年中無休 8:00~21:00)
    https://vermeer.osaka.jp/

    Webサイト

    ※東京展は終了しました。


  • フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ


    ゴーダチーズが溶け込んだ濃厚なミルクのスープに胡桃とレーズンのパンを合わせました。マスタードソースが爽やかな酸味を加えています。

    (also Soup Stock Tokyo、おだし東京、家で食べるスープストックトーキョー各店を除く)

350年前の愛すべき日常へ

  • なぜ、パンに牛乳を注ぐのか
    描かれているのは、とある家の台所で、女性がピッチャーから器にそっと牛乳を注ぐ様子。器の中には堅くなったパンが入っていると思われます。当時は日が経って乾燥したパンを牛乳に浸し、パンプディングやパン粥などを作ったといいます。
  • 季節は冬、午後2時頃?
    女性の服装をよく見てみると、服を肘までまくっているものの、布地は厚い冬物のよう。足元に足温器があることから、季節は冬だとわかります。室内には左側の窓から優しく光がさし込む、穏やかな午後のひとときのようです。
  • 日常が美しく見えたからこそ
    作品の題材は、今の私たちとも重なる“日々の生活で料理をする”、そんな瞬間です。降り注ぐ冬の光、静かに注がれる牛乳が描く螺旋、体温を感じさせる柔らかな仕草。フェルメールの目には、日常が美しく見えたから、この作品が生まれたのではないでしょうか。

美しさを伝えるために

  • 消えた地図の理由

    X線照射で調べてみると、もともと壁には地図(または絵画)があり、床には洗濯かごがあったそう。それらを消した理由は、作品の主題を「この一人の女性」として明確に描くためだったという一説も。

  • 細部に宿る、技巧と熱量

    前掛けやテーブルの布は、別名フェルメールブルーといわれる、気品ある瑠璃色。卓越した観察眼は色彩だけでなく質感にも行き届き、奥にある金物の冷たさ、パンの粗い肌触りなど高密度で風景を捉えています。

  • この言葉があったから このスープになりました

  • 作品には、牛乳やパンが描かれていますが、それ以外にスープを作るための手がかりはどうやって集めるのか。専門家の方とともに時代考証をおこない、作品から分かることだけでなく、当時の食文化に関する史実を頼りに想像をふくらませてスープを開発しました。その過程で語られたキーセンテンスをご紹介します。

  • じゃがいもは、まだこの時代は家庭で食べられていないのでレシピから抜きましょう。第1回試食会より

    試食会での試作品は、じゃがいもの食べ応えあるスープ。しかし、当時、じゃがいもは、花を観賞することはあっても、食用としては普及していなかったのです。そうした史実もレシピに織り込みました。

  • この絵のパンは、堅くなくっちゃいけないんです。第1回試食会より

    作品の中のパンの質感からヒントを得て、それを思わせるような堅いパンを探しました。作品へのオマージュとして、堅いパンに牛乳の代わりにスープを注ぐ所作を取り入れました。

  • この作品から生まれるスープは、『余白』があってほしい。第2回試食会より

    スープの色は、作品の中の壁の印象に。さらには、フェルメールが試行錯誤の末にたどり着いた「余白」を表現するために、シンプルな具材を選びました。

  • 酪農王国オランダに、牛乳とチーズはかかせません。キックオフミーティングより

    題材となる牛乳をメインにすることを最初に決めて、オランダ産ゴーダチーズを溶け込ませることで味に奥行きを持たせています。

  • 実は、マスタードは、古くから食卓で親しまれていたんです。キックオフミーティングより

    オランダときいて想起されるあの「風車」は、実はマスタードを挽くためでもありました。チーズにマスタードをつけて食べるオランダの食文化を取り入れました。

この作品に出合えたから、生まれたスープです

「万人受け」よりも「この作品だからこその一杯」を。
「万人受け」よりも「この作品だからこその一杯」を。

商品を決める最終過程に、実は3つの試作品がありました。どれも個性が光り、Soup Stock Tokyoとして胸を張っておすすめしたい出来栄え。そこから選ばれたのは、“酸味が効いた発酵感のあるスープ”、3つの試作品のなかでも一番クセのあるスープが、この名を冠することになりました。

その決め手は、作品の世界観に一番近い味わいを感じることができるから。

選ばれたスープで使っている食材は日常的なものですが、スープになると良い意味で“ふつうでない驚き”があります。熟考を重ねた私たちが大切にしたのは、「この作品から生まれたスープとして印象に残ること」。

このスープは、私たちにとっての「作品」なのです。

Soup Friends 千足伸行さんにインタビュー
Soup Friends 千足伸行さんにインタビュー

これまで国内の数多く美術展で監修を務め、成城大学名誉教授・広島県立美術館の館長である千足伸行さん。美術を社会と響き合う存在として捉え、数えきれないほどの作品と向き合ってこられた千足さんに、アートとの付き合い方についてヒントをいただきました。

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