2016/3/16・23(Wed)@東京・中目黒

旬の素材を味わう

Soup Stock Tokyoには素材のおいしさを丸ごと味わうことができるスープがいくつもあります。
素材が最もおいしくなる“食べ時”を知ることから始まり、どんな調理方法がそのおいしさをより引き立てるかを考えることが料理の楽しみでもあります。
例えば、芋類やかぼちゃは収穫してからしばらく寝かせて熟成させるとよさらに甘みが増します。皮に近い部分は最も風味が強いので、皮ごと料理をして風味を取り入れ、最後にひと手間をかけて皮を取り除くとよいなど、素材をおいしく味わう工夫はいろんなところにあります。

例えば、「とうもろこしとさつま芋のスープ」

とうもろこしは、収穫後、時間の経過とともに甘みが落ちるため、できるだけ早く調理をするとよいでしょう。とうもろこしの粒を外したあと、芯だけを煮出した煮汁を水の代わりに使うと風味が増します。さつま芋は、紅あずまのように甘みの強いものを選びます。皮に近い部分が最も風味が強いので、皮ごと使用すると、チキンストックを使わずともおいしいスープが出来上がります。

「ヴィシソワーズ」

北海道産のじゃがいもは9~10月が収穫期で、その後、発芽するまでの間にでんぷんが糖化して甘みが増します。Soup Stock Tokyoのヴィシソワーズは、糖度が満ちたじゃがいもで毎年3月ごろにまとめて作ります。


さて、冬の間に熟成させた野菜は、旨味をたっぷりと蓄え、風味も良いのが特徴です。
3月の「おいしい教室」では、岩手県の生産者さんが大切に育てた雪下にんじんを使いながら、素材と旬を生かしたスープとともに、北海道の広大な土地ですくすくと育ったごぼうと、高級じゃがいもとして知られる「インカのめざめ」を使って副菜を作りながら、「素材」そのもののおいしさについて考えました。

土が素材をおいしくする

今回のメインディッシュのスープは、岩手県の生産者“いきいき農場”さんが丹精込めて作られた雪下にんじんをたくさん使います。この雪下にんじんは、秋に収穫できるにんじんをあえて雪の下で冬を越させ、3月ごろに収穫します。雪の下は温度が一定(0℃)なため凍らず、湿度も保たれているため通常の人参よりも甘みを増し、さらに青臭さが抜けてとてもおいしいにんじんになります。

今回はこの雪下にんじんを丸ごと使ったスープを作りました。

材料はシンプルです。雪下にんじんとたまねぎ、塩とバターと水。それだけです。
お好みで生姜を入れたり、クミンをトッピングしたり。

“いきいき農場”さんは、おいしい野菜を作るために土づくりにとことんこだわっています。
例えば、土に牡蠣の殻の粉末や昆布の粉末を蒔いたり。そういった有機肥料により、カルシウムやミネラルなどを加えた土で育った野菜には、一層おいしさを増します。

素材そのもののおいしさを引き立てる名脇役「塩」

旬の素材を存分に味わうには、シンプルに調理し、シンプルな味付けで食べるのが一番。今回は、副菜として用意したじゃがいも(インカのめざめ)とごぼうは、とてもシンプルに蒸し焼きと素揚げに。

スキレットを2つ重ね合わせて、蒸し焼き状態に。

味付けは一振りの塩。最後にかけた燻製チーズが余熱で溶けたら完成。

ごぼうはあく抜きをすると栄養素も一緒に失われてしまうので、水に浸さず、調理する直前に切るのがおすすめです。また皮に近い部分の方が香りが強いため、しっかりと洗って皮ごと調理するのがポイントです。

ご用意した塩は5種類:海水塩、岩塩、天日海塩、雪塩、調味塩
素揚げしたら、お好みの塩を振って熱いうちにいただきましょう。

料理が完成したらよそう器を選び、盛り付けて完成。

私たちSoup Stock Tokyoは、今回お世話になった“いきいき農場”さんや北海道の和田農園さんのように、こだわりや想いをもった生産者さんと一緒に、おいしい素材をよりおいしく楽しむためのスープ開発を進めていきたいと考えています。

2016年4月の「おいしい教室~スープのじかん~」は、「休日の食卓、マンマの味」をテーマに開催。(4月23日(土)開催予定)

どうぞお楽しみに。


  • facebook
  • twitter
  • instagram
  • mailmagazine

ワークショップのようすや、最新ワークショップ情報をイチ早くお届けします。