2016/6/5(Sun)@東京・中目黒

Curry Stock Tokyo×スパイス番長のカレーラボ


Soup Stock Tokyoには数十種類のカレーメニューがあります。
なぜスープ専門店がカレー?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はカレーもスープも調理方法やこだわりはほぼ同じ。玉葱や香味野菜をよく炒め、味の骨格となる旨味を存分に引き出します。素材から引き出した旨味をだしでのばすとスープになり、そこにスパイスが加わるとカレーになります。
Soup Stock Tokyoのカレーには3つの開発切り口があります。

例えば、【意外な出会いを楽しむカレー】

別の食べ物との意外な出会いを楽しみながら作ったものがたくさんあります。ゴーヤチャンプルー、ラタトゥイユ、フリカッセ・・・。何でも受け止めてくれるカレーの懐の深さに、いつも甘えてしまっています。

【新発想のカレー】

Soup Stock Tokyo は“ まだ誰も食べたことのないカレー” を作り出しています。たとえば、「暑い時はやっぱり冷たいものが食べたい」という思いから生まれた冷たいカレー。いつも自由な発想でカレーと向き合っています。

【旅から始まるカレー】

カレーに限らず、Soup Stock Tokyo のメニューには旅先の風土や文化、歴史に敬意を払いながら開発したものが多数あります。現地で体験した味をなるべく忠実に再現。ひとさじのスプーンで叶うショートトリップです。

おいしく身体を整える「スパイス」

今回は、「東京カリ~番長」の貿易主任「東京スパイス番長」のシャンカール・ノグチさんをお招きして、一緒に2種類のカレーを作りながら、カレーやスパイスの奥深さ、インドの食文化を体感していただきました。

まずは、要となるスパイスの配合について。
この日ご用意したスパイスは、「コリアンダーパウダー」「ターメリックパウダー」「レッドチリパウダー」「クミンシードバウダー」。これらを調合してミックスパウダーをつくり、本日のお土産に。
ベーシックな配合として「コリアンダーパウダー」を一番多く入れる理由は、辛みのある「レッドチリパウダー」や苦みのある「ターメリック」など他のスパイスとのつなぎの役割を担うから。
インドでは家庭によって好みのスパイスの基本配合があり、さらにその日の体調に合わせてそれぞれのスパイスを調合していくそうです。たとえば、レッドチリパウダーは血液の循環を良くしたり、コリアンダーパウダーは胃腸に良い。ターメリックは肝臓などの内臓に良い作用があるので、ちょっと疲れているときなどはターメリックを多めにいれたり、炒め物などにも少し入れると良いそうです。

ひとつひとつのスパイスの香りを確認しながら、みなさんスパイスを調合していきます。

北インドと南インドを感じる2種類のカレーづくり

同じインドと言えども北インドと南インドではスパイスの使い方や具材などにも違いがあり、その背景には気候や地理、文化の違いがあるとのこと。そんなお話を伺いながら、北インドと南インドの代表的なカレーを作ります。

最初は、北インドを代表する「バターチキンカレー」。

その名のとおり、たっぷりのバターを鍋で溶かし、そこにローリエやシナモンなどのホールスパイスを投入。スパイスをよく炒め、油にスパイスの香りを移していきます。

さらに生姜、にんにく、玉葱を入れてしっかり炒めたら、トマトを加えます。グツグツさせながらトマトが煮崩れてきて水分がだっぷり出てきたら完了。それをザルで濾して、トマトスープをつくります。

スパイシーなトマトスープに、タンドリーチキンバウダー(イエローマスタードやカイエンペッパー、コリアンダーなどを調合したもの)とヨーグルトでマリネしておいた鶏肉を投入し、スパイスミックを加えたら、しばらく煮込みます。最後に生クリームやチャツネなどを加えたら完成!

そして、2品目は南インドを代表する「ココナッツシュリンプカレー」づくり。

ココナッツオイルにカレーリーフやブラウンマスタードシードを加えて、オイルに香りを移すところからスタート。

実際、Soup Stock Tokyoもカレーによってスパイスの使い方をアレンジしています。たとえば「玉葱と鶏肉のカレー」は、カルダモンなどのスパイスを鍋に入れ、オイルに香りを移すようにじっくりと炒めていたり。

今回作った2種類のカレーは、使う油も違えばスパイスの種類も違います。しかし、共通するポイントは、スパイスの使い方
はじめの香りづけとしては、まず油にホールスパイスを入れてしっかりと炒めることで、油に香りを移すということ。そして、味のベースとなる野菜(玉葱やトマトなど)を炒めたあと、さらに中心となる香りづけのためにパウダースパイスミックスを入れます。ホールスパイスとパウダースパイスの使い分けが、カレーに風味や味の奥行を与えるポイントとも言えるかもしれません。

シャンカール・ノグチさんのお話を聞き、インドの食文化に想いを馳せながらみなさんで一緒に楽しむカレーは、いつもとは一味違った「おいしい時間」になったのではと思います。

Soup Stock Tokyoの今年の夏は、たくさんのカレーが店頭に並びます。

フードプランナーの桑折敦子がスリランカに旅をしたときに出会ったカレーをSoup Stock Tokyo風にアレンジしたスリランカ風カレーなど、5つの新メニューも登場。
今後もSoup Stock Tokyoだからこそ作れるカレーを開発しながら、スープ同様、商品を通じて世界の食文化を知るきっかけになればと思っています。

2016年7月の「おいしい教室~スープのじかん~」は、「アジア」をテーマに開催予定。
どうぞお楽しみに。


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