2016/7/9(Sat)@東京・中目黒

アジアの食の知恵 ~ベトナム編~

Photo by すの


暑い国で食べられている料理には、暑さを乗り切るのに必要な栄養を補う工夫があります。必要な栄養を摂りいれることはもちろん、心からおいしいと感じ、味わって食べることが健康な心身をつくる大切な要素です。
Soup Stock Tokyoでは、これまでアジアのさまざまな国の食文化からヒントを得て、スープを作ってきました。タイ、ベトナム、中国、台湾、シンガポール・・・それぞれハーブやスパイス、調味料など国や地域ごとに使い方に特長があります。

Photo by すの

夏の暑さが本格化する7月のおいしい教室では、日本人の味覚にも馴染みやすいベトナムの食にフォーカスを当て、参加者のみなさんとともにベトナムの「おいしい」について考えました。

ベトナムと日本は似ている?!

ベトナムの国土は、約33万平方メートル。九州を除いた日本とほぼ同じくらいの面積です。南北に細長い形も日本と似ています。

Soup Stock Tokyoには、ベトナムのクレソン鍋をヒントにした「但馬牛すじ肉とクレソンのスープ」という商品があります。

但馬牛すじ肉とクレソンのスープ

さらに、Soup Stock Tokyoには、「チェ」というデザートがあるのをご存知でしょうか?

マンゴーとココナッツシロップのチェ

「チェ」とはベトナムのぜんざいのようなもので、それをアレンジしたデザートです。今回のおいしい教室では、この「チェ」も登場!

ベトナム料理の要は「魚醤(ニョクマム)」

ベトナム料理を特徴づける要素の一つは米食文化。米を原料にした麺・フォーや春巻きはよく食べられていますし、米とおかず、汁物が並ぶ食卓が日常的です。

Photo by すの

そんなベトナム料理の要になるのが「魚醤(ニョクマム)」。(タイでは「ナンプラー」と呼ばれます。)
小魚の塩漬けを発酵させた上澄みの汁を熟成させたものです。そのままだと臭いが強いのですが、ライムやハーブと一緒に料理すると食欲が増進する香りに変化します。

魚醤(ニョクマム)の旨味やコクは活かしながら、その独特の臭みは抑えたいときには、にんにくと合わせて使うと臭みが消えるそうです。フードプランナー桑折敦子が現地の料理人さんに聞いてきたそんな小話を交えながら、調理スタート。

今回は4種類のベトナム料理を作りました。
・長芋のスープ
・青パパイヤのサラダ
・ベトナム風鶏のから揚げ
・チェ(ベトナム風ぜんざい)

Photo by Yusuke Imahashi

ベトナムは日本と同様に南北に細長いと先述しましたが、やはり食文化も北と南では違います。
首都ハノイのある北部の方では、味付けは甘くなくしょっぱめ、そしてフレッシュハーブはあまり食べないそうです。ホーチミンのある南部では、味付けは甘め、フォーなどにもたっぷりのフレッシュハーブを乗せていただくそうです。

Photo by すの

今回は、南部のやや甘めな味付けをベースとしたベトナム料理を作ります。

紫色の定番スープとは?

ホーチミンでは定番の紫色の長芋を使ったスープ。日本ではなかなか手に入りにくいので、今回は白い長芋で代用しました。

干し海老を戻して細かく刻み、その戻し汁もスープに使うので、出汁をいれなくてもとても手軽にできるスープです。
もちろん味付けのメインは魚醤(ニョクマム)。
やさしい味わいで、夏の間に辛いものや冷たいものを食べて疲れた胃腸を整えるのにぴったりのスープです。

それから、魚醤(ニョクマム)を使ったベトナム料理の一般的な漬けだれ「ニョクチャム」を作ります。
内容はシンプルです。基本は、ニョクマム、レモン汁、にんにく、砂糖。メニューによってはレモングラスも入れたりと、アレンジは自由です。

Photo by Yusuke Imahashi

加える調味料や配合を少しずつアレンジして、サラダに合わせるドレッシングと、鶏のから揚げに和える漬けだれに。

Photo by Yusuke Imahashi

「ニョクチャム」はさまざまな食材に合う万能なたれなので、作っておくといろんな料理に使えます。

最後はデザート。
Soup Stock Tokyoでひそかなファンの多いデザートの「チェ」。
今回は、緑豆で餡を作り、白玉、氷、ココナッツミルクを加えるというシンプルな仕上げです。

Photo by Yusuke Imahashi

今回のおいしい教室は、フードプランナー桑折敦子がベトナムを旅したときの写真とともに、その土地の食文化や暮らしなどの話をしながらのワークショップでした。

Photo by Yusuke Imahashi

ベトナムは長い間中国やフランスに統治されており、食文化や建築的にもその名残があります。食材や地用品まで売っている市場を見て回るのも楽しいですし、街を歩けば建築物も楽しめます。

Photo by Yusuke Imahashi

日本からは直行便も増え、気軽に行きやすい国のひとつです。
南北で異なる食文化を楽しむ旅も、いいかもしれません。

「おいしい教室」では、いろんな国の食卓にショートトリップし、世界の食文化とともにそこで生活する人々の暮らしをも垣間見ながら「おいしいってなんだろう」ということを考えていきます。
世界中にはまだまだ知らない国や地域がたくさんあります。ぜひ私たちと一緒に、食からはじまる旅をしてみませんか?

次回もどうぞお楽しみに。


  • facebook
  • twitter
  • instagram
  • mailmagazine

ワークショップのようすや、最新ワークショップ情報をイチ早くお届けします。