アイコンはショートカットとクールな表情。10代の頃から雑誌等でモデルとして活躍されている今宿麻美さんですが、現在は2歳になる男の子のお母さんでもあります。今年、自身の妊娠・出産のエピソードを綴った書籍『39』を発表されたばかりですが、産後2ヶ月で仕事に復帰された今宿さんは、慌ただしい日々の中でどんなふうに仕事や育児と向き合っているのでしょうか。そして、結婚・出産・育児は“モデル今宿麻美”に何をもたらしたのでしょう。
──お子様はまだ小さいですし、ゆっくりと食事を取る時間もなかなかないと思いますが、そんな中でも「これだけは……」と摂るようにしているものや気を付けていることはありますか。
ちょっとバランスが悪いかな?と思ったら野菜ジュースやサプリを取り入れて、気持ちだけでもバランスを取るようにしています。今はゆっくり食べられないのが当たり前で、それにもだんだん慣れてしまいましたが、ゆっくり食べられる日を意識的に作るようにはしていますね。私はもともと3食しっかり取るので食事は大事です。
──お子様の食事のことで今困っていることはありますか。
野菜をなかなか食べてくれないんですよ。小さく刻んだりしてごまかしながらあげていますが……。好きなものは納豆と白米。あとはフルーツも好きですね。
──離乳食を食べていた頃はいかがでしたか。作るだけでも大変なはずなのに著書『39』を拝見すると、盛り付けや飾りつけもとても素敵でした。
離乳食も最初はぜんぜん食べてくれなかったんです。でも、離乳食を作るのは本当に短い間なので、私は自分なりに楽しもうと思ってキャラものを作ってみたり、1歳の誕生日にはケーキを作ってみたりしました。「食べることって楽しい」ということが少しでも伝わったらいいなと思って。
──家族で外食されることもあると思いますが、どんなことを考えながら行先を選びますか。
静か過ぎるところだと入りづらいですし、そもそも子供が食べられるものあるかな?あのお店はソファ席あったっけ?とか。探すのも大変になってしまって、結局誰かの家になっちゃうことも多いですね。キッズスペースみたいな場所があると本当に助かるんですが、食事もちゃんと摂れるところって東京でも意外と見つからないんですよね。
──ご家族でN.Y.へ旅行に行かれていましたが、あちらはいかがでしたか。
特段、街やお店が子供連れに優しいということではありませんが、人がみんな子供好きで優しいのですごく過ごしやすかったですね。そういう優しい視線を向けてもらえるだけでもすごく助かるというか、気持ちが楽になります。
──初めての出産で心配も不安もたくさんあったと思いますが、その時に支えになったもの、今でもよく思い出す言葉はありますか。
支えになったのは、やっぱりパパ(ご主人)の存在ですね。ウチの場合は両親が近くに住んでいないので、パパのサポートなしには育児も仕事も出来ないですし、子供が出来たことで「ふたりで頑張るしかないよね!」と絆もすごく強くなりました。実際に私が仕事の時はパパが息子を見てくれて、家のこともやってくれています。
──産後2ヶ月でお仕事に復帰されたそうですが、育児と仕事を両立するために夫婦の間で決めているルールは何かありますか。
ルールはまったくないです。とにかく「出来る方がやる」ということだけ。育児って予定通りにいかないことしかないので、たぶんルールを決め過ぎると余計に大変になってしまう気がします。私たちの場合、仕事のスケジュールも毎日バラバラですしね。
──お仕事に関しては、出産を経て何か「変わったね」と言われることはありましたか。
「だいぶ変わったね」って言われています。自分ではあまりよく分かりませんが「表情も違うね」と言う人もいたりして。仕事に関しては、やりたいと思う仕事でも育児の時間と合わなくて出来ない……ということもあって、正直もどかしさはありますが、自由に出来ないからこそ1つひとつを大事にしていきたいなと思っています。私は仕事が大好きですし、仕事をすることでリフレッシュもリセットも出来る。仕事をしていないとダメな人なんですよね。
──著書のタイトルが『39』ということで、30代の思い出がたくさん詰まった本になりましたが、本が完成して改めて振り返るとどんな30代でしたか。
まったく予想のしていない、怒涛の30代でしたね。10代、20代も楽しかったですが、それとは違う楽しさというか充実した時間があって、ものすごく濃い10年でした。まさか自分が母親になるなんて想像もしていませんでしたが、それぞれの出来事にはタイミングがあって意味もある。自分が思い描いていた自分とはまったく違う自分になったけど、だからこそこの先が楽しみですし、ここからまた新しい人生かな、と思っています。
今宿麻美 Asami Imajuku/1978年、宮崎県生まれ。96年、雑誌ananでモデルデビュー。その後、ストリートファッションのアイコン的な存在として数々のファッション誌で活躍。女優としては01年の『blue』を皮切りに『ナイン・ソウルズ』『空中庭園』など映画を中心に活動。著書には、自叙伝「ストリートモデル」、フォトエッセイ「HEARTBALANCE」、スタイルブック「MY STYLE ASAMI IMAJUKU」などがあり、今年1月には妊娠・出産のエピソードや体験を綴った「今宿麻美のママライフ 39 Thank you」(祥伝社刊)を発表したばかり。一児の母となった現在も、変わらずファッションリーダーとして多岐にわたって活躍中。http://www.spacecraft.co.jp/model/profile/imajuku/