産地だより
「真鯛薫る七草粥」一年の始まりに願いを込めて
そんな七草粥の主役といえば、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろの七菜。縁起の良いお粥を彩る青々ときれいな春の七草ですが、一体どんなところで、どうやって作られているのでしょう。その魅力を探りに、Soup Stock Tokyoで使用している春の七草の生産者、岩崎ファームの皆さんにお話を伺いに神奈川県の三浦海岸を訪れました。
岩崎ファームさんでは年明けの七草の出荷に向け、年内から作業がスタートしています。ピーク時には1日300人のお手伝いの方が集まり、全て手作業で七草をつくってくださっています。
一年の始まりを飾る縁起物だからこそ、上質なものを提供したい
七草をつくる難しさは、”1月7日”という単日に合わせて、7つの草を揃え、良い状態で世の中にお届けするということ。『七草』なので、1つも欠けることはできないですし、一年の無病息災を願う大事な”食”を飾るものなので、品質にもとても気を使う作物。そんな七草粥の主役である7つの草を育てて安定的に供給する、その背景には生産者の方々の七草栽培にかける情熱や努力があります。
「七草って縁起物だからちゃんと上質なものを届けたい。青々とした新芽のみを摘んで良い状態で7日を迎えられる準備をするのが私たちの仕事です。」
そう語るのは岩崎ファーム代表の岩崎さん。
その道30年という、関東きっての七草の生産者である岩崎ファーム。約120万パックも世に送り出される七草は、全て手作業でつくられ出荷の時期を迎えます。お正月目前のこの時期、ファームはいつにもまして大忙し。
「七草って、手間がかかるんです。春の七草といったらいっぺんに七草粥に入っているものなので忘れてしまいがちなんですけど、もともとは別々の場所で育った野草をかき集めてお粥に入れていたんですね。そのため、七草全てを同じ収穫時期に合わせて育てること自体が難しいし、どれもか弱い植物なので病気にもなりやすいんです。でも新年早々口にする縁起物なので若い新芽の青々としたところを召し上がっていただきたいっていうのが正直なところ。だから“7つ同時に同じ場所で作って、新鮮なまま市場に出す”ということが、七草づくりのとても難しいポイントなんです。」
岩崎ファームには七菜それぞれに適した畑やハウスがあります。植物だって人と同じで育ち方はそれぞれ。品種ごとに合った育成方法を丁寧に行う。そうしなければデリケートな七草は病気になったりうまく生育しなかったりするのだとか。この日岩崎ファームで行われていたのはたくさんの葉っぱがついたせりの束から新芽のみをひとつひとつ手作業で摘むという作業でした。
すでに葉の付いたきれいな新芽は、適度な水分量に調整してから冷却し、鮮度を保って出荷。まだ葉が出ていない小さな芽は選り分けて、さらに成長を促すために水槽につけて生育を早めたり。この作業の他にも、余分な根っこの裁断や洗浄など、想像していたよりもたくさんの工程があります。このような工程を7種それぞれにあったやり方で丁寧に行っていく。
そんな手間隙(てまひま)を経て、新鮮な七草が1月7日の七草の節句に私たちのもとに届くのです。
より良い七草を作るため、いつだって新しい方法を試します
岩崎ファームで七草の栽培をはじめてから30年。老舗としてノウハウを知り尽くした今もなお、新しい栽培方法に挑戦しているのだと岩崎さんは話します。
「物事って常に進化しているんですよね。お客さんに求められることだってそうだし、技術だってもちろんそう。」
1月7日に合わせて出荷される七草。たとえ1種類でもかけてしまえば商品になりません。品種によっては、出荷直前に収穫した方がよいものもあれば、乾燥させて冷却しておくものもあり、そのタイミングを見計らう目利きも長年の経験によるもの。そんな岩崎ファームの皆さんでも、七草づくりは難しいとおっしゃいます。
「その年の気候や苗によっても、毎年同じようにできるわけではありません。どんなに手間隙(てまひま)かけても、病気にかかってしまえばすべてダメになる。だからこそ、いかに良い状態で収穫を迎えられるか、収穫後に鮮度を保って市場へ卸せるか、それぞれの工程を見直しながら常にトライをしてアップデートしていってますよ。毎年もっといい方法はないかと試行錯誤しながらね。うまくいかなくても、やってみなければはじまりませんからね!」
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たくさんの方の努力と情熱と手間隙(てまひま)があってこそ、新鮮な状態で店頭に並ぶ七草。
そんな春の七草を大切に使用し、お客さまに心身健やかに過ごしていただきたいという私たちの気持ちを「真鯛薫る七草粥」にのせてお届けします。
商品名:「真鯛薫る七草粥」
一年の無病息災を願い1月7日限定でご提供する、真鯛のおいしさを尽くした七草粥です。今年も一年、健やかに、幸せに過ごせますように。
販売期間:1月7日 ※数量限定のため売り切れ次第、販売終了する場合がございます
取扱店舗:Soup Stock Tokyo (白馬店を除く)、家で食べるスープストックトーキョー一部店舗
※テイクアウト、デリバリーもご利用いただけます