商品のひみつ産地だより
円山店限定、地域の方と育むスープができました。
北海道産を使用しているのは、食材だけにとどまりません。店内で居心地よく過ごしていただけるように設計された、チャーチチェアにヒントを得たスープストックトーキョーオリジナルの椅子には北海道のニレ材を使用。スープストックトーキョーの「スタンダード」として全国のお店で親しまれています。
実際に農園や牧場へ足を運びお話をお伺いする中で、札幌近郊でこだわりをもったものづくりを行う生産者の皆さんの、「地元の方にもっと自分たちの作ったものを食べてほしい」というまっすぐな想いに触れ、私たちのスープを通して地域の食材のおいしさをお客さまにお届けしたいという想いが西山に湧いてきました。
今回、円山店限定でご提供させて頂くのは、スープストックトーキョーの看板商品である「東京ボルシチ」の食材をアレンジした「季節のボルシチ」です。
ポイントとなるのは、JAさっぽろ青年部の皆さんとの出会いをきっかけに初めて知った、札幌伝統野菜「札幌黄(さっぽろき)」。
日本における玉葱の栽培の歴史は浅く、明治時代に開拓使がアメリカから持ち込んだ種子を札幌官園で試験栽培したことに始まるのですが、札幌村(現在の札幌市東区)では、早くから玉葱栽培がさかんに行われており、現在でも日本における玉葱栽培発祥の地として知られています。
通常の玉葱と比べて日持ちがしないこと、また病気にも弱いことから栽培する農家が減ってしまい、現在では「幻のたまねぎ」と呼ばれるようになりました。
しかし札幌黄は肉質に厚みがあり、加熱するとしっとりととろける玉葱の食感を残したまま驚くほどの甘味を感じることができる玉葱です。現在は生産量も少なく希少な札幌黄ですが、「季節のボルシチ」では、札幌黄のおいしさを十二分に楽しんで頂けるよう、蒸し焼きにして甘みを引き出した札幌黄をスープにたっぷりと加えた、全国でもここ札幌でしか楽しむことが出来ない特別なボルシチに仕立てています。
10月26日(月)からは、近郊で採れた小松菜、ミニトマトを飾った、彩り鮮やかな「秋のボルシチ」をご用意。札幌は北海道内有数の小松菜の生産地。新鮮な小松菜のシャキシャキとした歯ごたえもお楽しみいただけます。
11月9日(月)からは、西野幌の小林牧場の生乳で作られたカリッとした食感のゴーダチーズが札幌黄の甘さを引き立てる「冬のボルシチ」に装いを変え、登場します。
馬鈴薯(ばれいしょ)と札幌黄もごろっと使用し、札幌近郊の食材を存分に味わっていただける一杯です。
来年の春には、また新たな食材を添えて「季節のボルシチ」をご用意する予定です。
旬の食材を活かして地域の生産者の皆さまとお届けする、札幌発の「季節のボルシチ」。
地元の皆さまにとっても、改めて札幌の食材の魅力に触れることができる一杯となれば幸いです。
販売期間:2020年10月26日(月)〜11月30日(月)
販売店舗:円山店
スープストックトーキョーのスープは、全国各地の生産者とのパートナーシップによって成り立っています。出店させていただく地域、そこで出会う魅力的な人たちとのつながりから生産者の方々やまだ見ぬ食材、食文化との出会いが広がっていくことを、日々実感しています。
そういった一つ一つの出会いやつながりを大事に、お客さまにお届けしたい一杯をこれからも手間隙かけて作っていきます。
一杯のスープが、皆さまにとって新たな気付きや出会いのきっかけにもなれればとてもうれしく思います。