Soup Stock Tokyoでは、2021年9月20日(月)から11月30日(火)までの期間、北海道に位置する円山店および大同生命札幌ビルmiredo店の2店舗限定で「季節のボルシチ」をご用意いたします。このスープは、2020年10月に初めて登場し、今年で2回目の取り組み。背景には、札幌の店舗で働く店長の想いと、札幌近郊の生産者さんたちとの出会いがありました。
じっくりと炒めた玉葱の甘みが特長とも言えるSoup Stock Tokyoの看板商品「東京ボルシチ」に、馬鈴薯や札幌伝統野菜「札幌黄(さっぽろき)」などを使用し、札幌近郊の食材を存分に味わっていただける「季節のボルシチ」。その名にふさわしく、生産者の方々が手間隙かけて育ててくださった旬の食材をスープのトッピングにも使用いたします。
9月20日(月)からは、近郊で採れた小松菜、ミニトマトを飾った、彩り鮮やかな「秋のボルシチ」をご用意。札幌は北海道内有数の小松菜の生産地。新鮮な小松菜のシャキシャキとした歯ごたえもお楽しみいただけます。
11月1日(月)からは、西野幌の小林牧場の生乳で作られたカリッとした食感のゴーダチーズが札幌黄の甘さを引き立てる「冬のボルシチ」に装いを変え、登場します。
私たちがスープを作る上で、北海道の食材は欠かすことのできない存在です。幅広い年齢層のお客さまに親しまれる「北海道産かぼちゃのスープ」をはじめ、「とうもろこしとさつま芋のスープ」のとうもろこし、夏の定番「ヴィシソワーズ」の男爵芋やポロ葱など、たくさんの北海道産の野菜を使用しています。
昨年(2020年)の夏、店にご来店いただいたJAさっぽろの職員さんをきっかけに、私たちは札幌近郊で農業を営む生産者(JAさっぽろ青年部所属)の皆さんと出会いました。
実際に札幌の店舗で働くスタッフが農園や牧場へ足を運びお話をお伺いする中で、札幌近郊でこだわりをもったものづくりを行う生産者の皆さんの、「地元の方にもっと自分たちの作ったものを食べてほしい」というまっすぐな想いに触れ、私たちのスープを通して地域の食材のおいしさをお客さまにお届けしたいという想いがスタッフ一人ひとりに湧いてきました。
そうして生まれたのが、Soup Stock Tokyoの看板商品である「東京ボルシチ」の食材をアレンジした「季節のボルシチ」です。
ポイントとなるのは、JAさっぽろ青年部の皆さんとの出会いをきっかけに初めて知った、札幌伝統野菜「札幌黄(さっぽろき)」。
「札幌黄(さっぽろき)」とは、明治時代に品種として確立し、札幌村(現在の札幌市東区)から全国に広まった、札幌を代表する品種です。
日本における玉葱の栽培の歴史は浅く、明治時代に開拓使がアメリカから持ち込んだ種子を札幌官園で試験栽培したことに始まるのですが、札幌村(現在の札幌市東区)では、早くから玉葱栽培がさかんに行われており、現在でも日本における玉葱栽培発祥の地として知られています。
加熱すると甘みを増し、肉厚で食味の良い札幌黄は明治以降北海道中で栽培され全国に広まりましたが、通常の玉葱と比べて日持ちがしないこと、また病気にも弱いことから栽培する農家が減ってしまい、手に入りにくい現在では”幻のたまねぎ”と呼ばれるようになりました。
しかし札幌黄は肉質に厚みがあり、加熱しても玉葱のシャキッとした食感を残したまま驚くほどの甘みを感じることができる玉葱です。現在は生産量も少なく希少な札幌黄ですが、「季節のボルシチ」では、札幌黄のおいしさを十二分に楽しんで頂けるよう、蒸し焼きにして甘みを引き出した札幌黄をスープにたっぷりと加えた、全国でもここ札幌でしか楽しむことが出来ない特別なボルシチに仕立てています。
昨年に続き、今年もスタッフ数名で坂東さんの農場に伺い、収穫作業のお手伝いをさせていただきながら、お話を伺ってきました。
「札幌黄は、品種改良された玉葱に比べて病気に弱いんです。外側がきれいに見えても内側が黒く腐っていたりすることもあるため、確認する作業は大変です。また、品種改良された玉葱は、毎年新たに種を買って植えますが、札幌黄の場合、農家さんごとに異なりますが、私のところではその年に採れた玉葱を土に植えて、花を咲かせて受粉し、種を作るところからスタートするので、さらに時間と手間がかかります。そうやって農家さんごとに種を作ったりもするので、作り手によって味の違いが出やすいのも特徴ですね。うちは、明治から続く農家で私は6代目。先祖代々作り続けている札幌黄を私の代で終わらせるわけにはいかないという責任感もありますね。」(坂東さん)
こうして手間隙かけて種を絶やさず作り続けている農家の皆さんがいらっしゃるからこそ、今年も「季節のボルシチ」の食材として使わせていただくことができるということを、お話を伺いながら改めて感じました。
現在、円山店と大同生命札幌ビルmiredo店の2店舗を統括する店長の土屋は、こう話します。
「『また販売しますか?』と、うれしいことに、昨年の「季節のボルシチ」販売後、お客さまから数えきれないほどのお問い合わせをいただきました。札幌近郊で採れた野菜のおいしさと生産者の皆さまの想いが、お客さまに伝わった結果だと思っています。「季節のボルシチ」は今年で2年目を迎えますが、今年はより多くのお客さまにお届けするため、円山店だけでなく大同生命札幌ビルmiredo店でも販売します。末永く皆さまに愛される、札幌になくてはならない定番商品にしていきたいと思っています。」
「秋のボルシチ」にトッピングする小松菜を生産されている農家の今村さんは、昨年の取り組みを経てこんなお話を聞かせてくださいました。
「自分が育てた小松菜を食べている姿を、家族以外の人で見ることは実際少ないんです。昨年、店に伺った際に「季節のボルシチ」を食べていただいているお客さまの表情や、仲間や知り合いからの『(Soup Stock Tokyoで)食べたよ、おいしかったよ』の言葉が無性に嬉しかったですね。」(今村さん)
スタッフが生産者の農場や牧場に足を運ばせていただき、作り手の皆さんの想いに触れ、手間隙かけて育ててくださった食材を店舗で調理してお客さまに直接お届けする。そして、お召し上がりいただいたお客さまの声をまた生産者の皆さまにお届けすることも、私たちSoup Stock Tokyoの大事な役割の一つだと思っています。“スープ”はコミュニケーションツールのひとつとも言えるかもしれません。
旬の食材を活かして地域の生産者の皆さまとお届けする、札幌発の「季節のボルシチ」。
このスープをきっかけに、地元の皆さまにとっても改めて札幌の食材の魅力に触れることができる一杯となれば幸いです。
《商品概要》
「季節のボルシチ」
販売期間:
<秋のボルシチ>2021年9月20日(月)〜10月12日(火)
<冬のボルシチ>2021年11月1日(月)~11月30日(火)
販売店舗:円山店、大同生命札幌ビルmiredo店
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全国的な異常気象や気候変動による農作物への影響が年々増えていく中、こうして今年もおいしい野菜を手間隙かけて作っていただき、スープを通して皆さまへお召し上がりいただけることを私たちもとてもうれしく思います。
スーパーや八百屋さんに行けば、当たり前のように色鮮やかな野菜が店頭に並んでいますが、その当たり前の裏側には、生産者の皆さまの惜しみない努力や手間隙があることを私たちも農場へ伺いお話を伺うことで改めて実感しました。そういった一つ一つの出会いやつながりを大事に、お客さまにお届けしたい一杯をこれからも手間隙かけて作っていきます。
一杯のスープが、皆さまにとって新たな気付きや出会いのきっかけにもなれれば幸いです。