商品のひみつ産地だより

「女川産さんまのつみれスープ」が繋げるバトン

Soup Stock Tokyoでは、2011年から宮城県女川町のさんまで作った「女川産さんまのつみれスープ」をお届けしています。売上の一部を復興にお使いいただく形で、今でも毎年3月に販売を続けているこの取り組み。販売開始から10年以上、このスープはさまざまな思いが込められ、繋がり、届け続けられています。

さんまは女川の宝



女川町は、宮城県東端の小さな港町。目の前には世界の三大漁場といわれる三陸の海。特にさんまは、全国でトップクラスの水揚げ量だけでなく、良質なものを見極める目利きが多いことで知られ、「女川さんまは一味違う」とプロの間でも一目置かれています。



さんまのすり身の加工をお願いしているのは、ワイケイ水産さん。震災直後、支援が届く前の暗闇で、さんまのすり身を団子にしてお湯に落としただけの簡単な汁をみんなで分け合ったそうです。その支え合う光景をみた先代の社長が再出発を心に決め、家族や地域の人々と力を合わせて女川町に再び鮮魚加工の灯をともしました。

※ワイケイ水産の皆さん。左から先代の二代目社長の奥様で取締役の悦子さん、初代社長の喜一さん、次期三代目社長を継がれる亮太さん

震災で津波による被害を受けても海との共生を大切にしながら、復興を元に戻すことではなく「進化のきっかけ」にと、家族や仲間と支え合い見えない未来に進んでいく。私たちはその姿に胸を打たれ、10 年以上、伴走を続けています。そして全国のスープストックトーキョーのお客さまからも、心のこもったメッセージを沢山お預かりし、女川町にお届けしてきました。

※全国の店舗にて、お客さまにお書きいただいたメッセージカードはワイケイ水産に大切に保管されています

繋がれていくバトン

「女川産さんまのつみれスープ」の、おいしくやわらかな、さんまのつみれをつくるためには、鮮度管理されたさんまを加工することが大切。とても手間がかかる作業ですが、欠かせないこだわりです。また、取り組みが始まってから 10年以上たった今では、食を取り巻く環境は激変し、さんまは希少な海産物になっています。そんな状況の中でも毎年、上質なさんまを安定して出荷し続けていただくことはとても大変なことです。

それでも、ワイケイ水産の三代目のバトンを受け取られる亮太さんはこうおっしゃいます。
「私たちのさんまが、想いと共に皆さんのもとに届くのがとてもありがたい。皆さんから寄せていただいたお声も全部拝見しています。こうしたやりとりが本当に嬉しいです。」



こうして、女川のさんまを届けようと手を尽くしてくださる方々の想いと、このスープの販売を応援してくださるたくさんのお客さまの想いの連鎖によって、また無事に「女川産さんまのつみれスープ」が販売できます。
心から、ありがとうございます。

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