Soup Friends
Soup Friends Vol.52 / 在本 彌生 さん
──スープはお好きですか?
──お料理はしますか?
──お仕事について。客室乗務員になられた経緯を教えてください。
──仕事はどうでしたか?
──そういう好奇心って幼少のどんなところがルーツなんでしょうか?
──興味のある被写体はどんな風に変化していくのでしょうか。
──写真を仕事にして今年で9年目、作品としての写真と、仕事で撮影する写真の違いは?
また、どこかでみた風景を思い出し、再現する気持ちで撮影することもあります。ある種のノスタルジーですね。 それから3つめが「こういうことがあるといいな」と思っていたことが起きると撮りたくなるのです。先日雨上がりに、近所の見事な薔薇が庭先のアスファルトに鮮やかに散っていたんです。通りがかったら、綺麗な赤い花びらが目に飛び込んできて、「これはここで雨傘が撮りたい!」と思い立ちます。そこで、近所にすむ小林エリカちゃん(作家のお友達)を呼び出して撮影をしたんです。二度とはない、その瞬間を抑えたくて。
──細川亜衣さんの料理は一瞬の「おいしさのピーク」がある料理ですが、ご本人は在本さんが二度とない瞬間を撮る写真家だということを知っていたんでしょうか。
彼女自身と彼女の料理って似ていると思うんです。出会ってすぐ、この人魅力的と思う人っているじゃないですか。顔が綺麗っていう意味じゃなくて人となりで滲みでてくる何か。彼女の料理はそういう料理なんです。大胆かつ非常に端正な佇まい。料理上、大胆なアクションに見えても、頭のなかでは繊細な出来上がりがきちんとイメージされているんです。彼女なりの法則があるんだと思う。それも誰かに教わったものではなくて、経験が作り上げたもの。真似はできるけど、彼女自身にはなれない、潔い端正さ。私も写真においては潔さが同居していると思っています。世界の広さや魅力は充分見てきたから。そこで写真家にできることって、ただその状況に直面することなんだと思うんです。その魅力のある場面にたどり着いているということ、これが大切なんだと思っています。