Soup Friends
Soup Friends vol.96 / Chika Higashi
一本ずつ描かれた色彩の美しさを、日常のアイテムにして私たちに届けてくれるひがしさん。
傘作りへの思い、今の生活について話を伺いながら、好きなことを続けていく心持ちについて教えてもらいました。(文:菅原良美)
今みなさんが使っている傘は、数百円で買えるものがほとんどだとかもしれません。でも、傘ってすごく手間のかかる作りで、ビニール傘でさえ人の手が入って作られています。私が作っている傘も、“作品”になってしまうと、なかなか手にとってもらえなくなってしまう。だから“作品”でもあり“商品”でもある価値を探りながら、その間にある何かが生まれたら…と試みています。10年続けている今も、それが出来ているか自分では分からないのですが…。でも表面では単純に見て「素敵!欲しい!」「楽しい傘!」と感じてもらえる傘屋でいたいと思っています。
先日、傘のハンドルを作ってくれている職人さんに会いに行った時、他愛のない話をしてるだけなのに、感動して涙が出てきて。戦争を体験した世代の職人さんなのですが、話してくれることが本当に貴重で面白くて、生き抜くエネルギーとバイタリティを感じる。彼らに会うと、私ももっと頑張りたいって思えるんです。帰り際に「娘に食べさせてあげて!」って、パンとか海苔を持たせてくれて(笑)。そういう職人さんと仕事ができることもありがたいし、大切にしています。
あと、体調が悪い時や気持ちがふさぎこみそうな時は、夕飯を軽くしています。私はたくさん食べてしまう方なので、どんどん身体が重くなってしまう。だから、そういう時はスープやお味噌汁だけにすることを心がけていて。身体から軽くしていきたいなって。
私は毎日、ささいなことでもクリアできたことがあればオッケー!と思っていて。うまく出来ない時って誰にでもあるから。だからこそ、できなかったことを並べるより、ちゃんと朝起きれた、子供が風邪をひかずに保育園に行けた、オッケー、ラッキー!と思う。そうして子供も自分もほめてあげながら過ごしていきたい。「コシラエル」も、みんなが健康に働けて、1日ずつ重ね続けていけたらいいなと思います。