
富山県のお米を使った「お米と麦のビール」のハナシ
スープストックトーキョーオリジナルのクラフトビール「お米と麦のビール」は、忙しい日が続き料理をするのもひと苦労なときや、なんとなく繰り返しに感じる毎日の中で、少しだけ気分を変えたいときにそっと寄り添うビールです。お米を使った少し珍しいクラフトビール、この商品開発のきっかけから出来上がりまでをご紹介します。
はじまりは、白胡麻ご飯の産地とのつながりから
Soup Stock Tokyoで提供している「白胡麻ご飯」はスープの脇役でいながら隠れた人気者です。「白胡麻ご飯」の生まれ故郷は、冬は雪深い山に囲まれる富山県の砺波(となみ)平野。この地は昔から豊富な雪解け水と特有の季節風に恵まれ、ふっくらつやつやとして甘みのある良質な米作りができる、コシヒカリの名産地です。
スープストックトーキョーの「白胡麻ご飯」は、2017年から富山県となみ野の生産者の方々との関係性の中で、共に歩み、共につくり続けてきたからこそ、今も皆さまにお届けすることができているとても大切な一品です。
合わせてご覧ください>>「白胡麻ご飯」の商品ストーリーはこちら
店舗で召し上がれる富山県のお米を使用した「白胡麻ご飯」を、ご自宅でも楽しめるようにと冷凍商品として商品化したのが2020年。その時以来、富山県のおいしいお米をもっと多くの人に知ってたべてもらいたいと、お米を使った何かおいしいものを作ることを模索していました。
Soup Stock Tokyoらしいビールとは
一方、社内では「お客さまに喜んでいただけるオリジナルビールを新たにつくりたい」という声があがっていました。ビールとしておいしい商品を目指すだけでなく、スープづくり同様にこだわって、私たちも、お客さまにも喜んでいただけるオリジナルビールをつくること。そして、何よりもスープに合うビールで、Soup Stock Tokyoでのお食事の時間を楽しんでほしいという想いを出発点に、構想が始まりました。
旬の食材を活かし、素材本来のおいしさを丁寧に引き出すことを基本に、わたしたちがこれまでに開発してきたスープのレシピ数は約200種類近くにもなり、季節ごとにさまざまな組み合わせで販売しています。それぞれの味に個性があるなかで、どのスープを選んでいただいても合い、食事としてもおいしく召し上がっていただくためには、軽やかさがありながらビールとしての満足感がある味をつくる必要がありました。Soup Stock Tokyoらしいビールってどんなものだろう。そんな問いを繰り返すなかで思い出したのが、「富山のお米」でした。
「お米」と「麦」でビールをつくる
私たちスープストックトーキョーの自慢の富山県のお米なら、スープに合うビールがつくれるかもしれない。おいしく作るための醸造は、麦から手作りで地ビールを作っている石川県にある農業法人「わくわく手づくりファーム川北」さんにお願いしました。
わくわく手づくりファーム川北さん は、石川県能美郡(のみぐん)川北町の田園風景やここで就農する若者へ明るい未来を残したいという想いから有志とともに設立された会社です。
製造加工では食品安全に関する国際規格であるISO22000を取得、2023年には、麦づくりではGLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)*を取得し、麦づくりからビール製造まで安心・安全な一貫したものづくりをしています。
※G.A.P.(ギャップ)とはGOOD(適正な)、AGRICULTURAL(農業の)、PRACTICES(実践)のことです。GLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)認証とは、それを証明する国際基準の仕組みを言います。世界130か国以上に普及し、事実上の国際標準となっています。(出典:GLOBALG.A.P.協議会HP)
お米のビールってどんな味?
原料の富山県産のお米は、お店で使っている白胡麻ご飯のお米ではなく「酒米」を、その品種は「五百万石」を選びました。わくわくファームさんが自社栽培している六条大麦にこの酒米をあわせ、苦みが柔らかく軽やかな味わいとお米の優しい香りに繋がるよう、材料の配合を検討していきました。
出来上がったビールは、お米の使用比率が高く醸造に大変時間がかかるものなってしまいましたが、わくわくファームさんのおかげで私たちが目指すスープに合うビールの味「食事に合うような繊細な味わい」のイメージにぴったりの仕上がりになったのです。
「お米と麦のビール」は、今年で9年目のご縁を続ける「富山県のお米」の生産者の皆さんと、麦づくりから醸造まで一気通貫したこだわりの地ビールづくりをするブルワリーさんとで生まれた「スープに合うビール」です。Soup Stock Tokyoの店舗では、丸くて少し小さ目の冷えたグラスを添えてご提供します。食前にすいすいと飲み干して軽やかに冷えた喉ごしを楽しんでいただくのも、お好きなスープを召し上がりながら、ワインのように楽しんでいただくのも、どちらもおすすめです。今日も頑張った自分へのごほうびに、「今日も一日おつかれさま」と労わりながら、ゆっくりとお楽しみいただければと思います。
≪商品情報≫
「お米と麦のビール」
Soup Stock Tokyoの「白胡麻ご飯」と同じ産地、富山県産の酒米「五百万石」でつくった軽やかな香りと味わいが特徴のクラフトビールです。