2016/4/23(Sat)@東京・中目黒

休日の食卓、マンマの味


4月のおいしい教室は、休日の食卓とマンマの味がテーマ。
Soup Stock Tokyoには、「世界の食文化」というエッセンスから生まれるスープが多くあります。

世界でも有数の美食の国、イタリア。
そして、美食の国と言われる一方で世界一、食に閉鎖的な国とも言われる側面も持ち合わせています。それは、イタリア人が自分の生まれ育った地方の味、その中でもマンマが作る味が世界一だと信じてやまないから。地方ごとの特色や食材の魅力を引き出した料理を、Soup Stock Tokyoでもスープに表現してきました。

レンズ豆とスペルト小麦のウンブリア風スープ

茄子と黒オリーブのシチリア風シチュー

そして、イタリアでは、家族で食卓を囲むことをとても大切にしています。
休日のPranzo(お昼ご飯)には、家族そろってテーブルを囲み、マンマ手作りの味を、お喋りとともにたっぷりと味わいます。

今回のおいしい教室では、アンティパストからプリモピアット、セコンド、ドルチェまで揃う、イタリアの休日の食卓を作っていきました。

まずは恒例の乾杯から。6月より全店で販売スタートするSoup Stock Tokyoのオリジナルのビールを参加者のみなさんに一足早く味わっていただきました。

プリモピアット(前菜)は清見オレンジのシチリア風サラダ。オリーブオイル、塩とミントでさっぱりと味を付け、冷蔵庫で馴染ませます。
オリーブオイルは、サラダなど生で食べる時にはよりフレッシュで無濾過のものを使用するのがおすすめです。

セコンドはナスのパルミジャーノ。素揚げしたナスに、たっぷりの手作りトマトソースとチーズを合わせて、オーブンに入れるだけ。

そして今回のおいしい教室の目玉料理はニョッキ。じゃがいもは金串がスッと通る柔らかさまで茹でます。茹でる時に、湯温50~60度をゆっくり通過させることでおいしさがより引き出されます。
また、メ―クィーンなど粘性があるものよりも、男爵のようにホクホクした品種を使うほうが、軽い仕上がりになります。

熱いうちに皮をむき、裏濾しして混ぜていくのがおいしく作るコツ。小麦粉や卵黄、バターと切るようにまぜ合わせて手早くまとめます。

おいしさの秘密は、「マンマの手」

「マンマの手が料理をおいしくする」と語るフードプランナーの桑折。マンマの料理は、野菜を切るのもレストランのように整った形や大きさではないけれど、その不揃いさが味に広がりを出すのだそう。そして、マンマが分厚くてあたたかい手で作った料理にはぬくもりがあります。

ニョッキは茹であがりも2~3分ほど。ソースが出来上がるタイミングに合わせて茹であげたら、クルミとペッパーを振って完成です。

普段は当たり前に購入しているパンやパスタも、手作りするとその味は格別。おいしさの秘密はマンマの味、そして家族で囲む食卓にあるのでしょう。

今回は母の日も近いということで、みなさんそれぞれの「母の味の思い出」を話しながら食事を進めました。

印象的だったエピソードをいくつか。

“母親は料理が得意なので、なにを作ってもどうしても母の味には勝てない。
唯一自分の方がおいしく作れるのはパスタ。
母のパスタは煮込みうどんみたいにクタクタになってしまうので、そこだけは自分の担当として誇りに思っている。“

“母の料理といえば、天ぷら。天ぷらだけは、どんな高級料理屋で食べるものよりも、母のものが一番おいしくて、天ぷらの日は、母はずっと家族のために天ぷらを揚げている。揚げている母自身は、油のにおいでもう十分!といってほとんど食べていないけれど。”

“料理を始めた頃、母に「調味料はどのくらい?」と聞くと、決まって「適当だよ」と言われた。その「適当」が分からなくて聞いているのに!(笑)
いつのまにか私も「適当」に料理が出来るようになって、あのときの母の気持ちが良く分かる。“

母の味を思い出す時に浮かぶのは、いつも台所に立って、きびきびと食事の支度をする姿。母の姿は、食べること、そして豊かな時間へとつながっています。
母の日も近付いてきました。「最近覚えた料理を私が作るから」と、お母さんに振る舞ってみてはいかがでしょうか。

次回のおいしい教室も、お楽しみに。

Photo by Yusuke Imahashi


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