2016/8/6(Sat)@東京・中目黒

コンセプトから作るカレー


2016年の夏、Soup Stock Tokyoは、カレー色に染まっています。おいしい教室も6月には「スパイス番長×Curry Stock Tokyo」をテーマに、スパイスについて学びながら北インドと南インドの代表的なカレーを作るワークショップを行いました。
8月のおいしい教室では、再びカレーやスパイスにフォーカスをあて、Soup Stock Tokyoにおけるカレーの商品開発の切り口のひとつ「コンセプトから作るカレー」を参加者の皆様に体験していただくワークショップを開催いたしました。

コンセプトから作るカレー

たとえば、「暑い時はやっぱり冷たいものが食べたい」という思いから生まれた冷たいカレーは、いまやSoup Stock Tokyoの夏の風物詩。「夏休みカレー」は「子どもと一緒にカレーを楽しんでいただきたい」という思いから開発した、辛くないカレーです。

今回は、コンセプトから自分たちで考えて、スパイスもオリジナルで調合し、カレーを作っていくというスタイルで、ワークショップを進めました。

STEP1 コンセプトメイキング

コンセプトというと少し身構えてしまうかもしれませんが、まずは「誰と、どんなときに(どんな気分で)食べたいカレーか?」ということをチームそれぞれ考えます。

「暑い日にさらっと食べられる女子カレー」や「3776m(富士山頂)で明け方に御来光を待ちながら食べるカレー」、「疲れを癒す、寝る前に食べる、ミッドナイトカレー」など、チームごとにさまざまなシーンを想像しながら、コンセプトメイキングを行いました。
今回のワークショップのポイントは、この「コンセプト作り」です。より具体的なシーンをイメージすることで、自ずと選ぶ食材や使うスパイスなどが見えてきます。

STEP2 味の骨格を決める食材選びとスパイス調合

今回は食材もスパイスも種類を抱負にご用意しました。
たんぱく源としては、ラム肉のミンチ、豚肉、鶏肉、そして白身魚。色とりどりの野菜に、カシューナッツなども準備。
各チームのコンセプトをもとに、フードプランナーの桑折とともに、さらに想像を膨らませながら食材選びを進めます。
例えば、「富士山頂でご来光を待ちながら食べるカレー」のチームでは、「登山で疲れた身体を癒すために疲労回復に効果的なビタミンB1を多く含む豚肉を選ぶか、それともさっぱりと食べやすいように鶏肉にしようか」、という話をしていたり、「寝る前に食べるカレー」のチームはあまり胃に負担をかけないよう野菜を多く使いましょう、となったり。

大まかな食材が決まったら、スパイスの調合です。
ご自宅ではなかなか揃えきれないスパイスがずらりと並び、参加者のみなさんもそれぞれ手に取って香りを嗅いでみたり、楽しみながら各チームオリジナルの調合をしていきます。

例えば、ラム肉を使うチームは、肉の臭みを消すためにカルダモンやクローブを入れたり、まろやかな味に仕上げたいチームはあまり刺激の強いスパイスは選ばず、南インドでよく使われるマスタードシードとカレーリーフを中心にしてみたり。チームのコンセプトに合わせて味のイメージを膨らませ、辛さ加減や香りづけ、効能などについても桑折と相談しながらスパイスミックスを作っていきます。

STEP3 ルーは使わないカレーづくり

食材が決まり、スパイスの調合も完了したら、いよいよカレーづくりのスタートです。
まずはスタータースパイスから。ホールスパイスを使用して油に香りを移していきます。

食材の切り方も、コンセプトによって変わってきます。例えばお子さまと食べるカレーであれば食材は小さめに切ったり、食べごたえのあるカレーに仕上げたければゴロゴロと大き目に切ったり。料理をしながら常にコンセプトに立ち戻り、そこから完成形をイメージして調理していきます。

野菜や肉をしっかり炒めたあとはパウダーのスパイスミックス(オリジナルの調合)を入れて味を調えます。テンパリングをしたり、オイルやナッツでとろみを出したり。
基本の組み立て方を覚えておけば、あとはその時々で様々なアレンジを楽しめるのがカレーです。フードプランナー桑折は「カレーは寛容なので、最後はおいしく包み込んでくれますよ!」と話します。

ちなみに、今回はなかなか見慣れないインドやパキスタンで食されるバスマティライスを使いました。このお米、なんと炊かずに茹でます。

シーンをイメージしながら、楽しむカレー

見事にどのチームも全然違うカレーですが、とてもおいしいカレーが完成しました。
チームごとに最初に決めたコンセプトを改めて発表し合い、そのコンセプト通りのカレーが出来上がっているかということを確認しながら、他のチームのカレーも召し上がっていただき、大いに盛り上がりました。

今回のように「コンセプトを考えてから、食材を選び、味を設計していく」というスタイルは、Soup Stock Tokyoらしい商品開発の切り口であり、いつもとは一味ちがった料理の楽しみ方を参加者のみなさんと共有できたのではと思っています。

2016年9月の「おいしい教室~スープのじかん~」は、「身体を癒す」をテーマに開催予定です。

どうぞお楽しみに。


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