2018/10/27(sat)@東京・自由が丘
今月は川上ミホさんと一緒に、伝統茶{tabel}を主宰する、食卓研究家の新田理恵さんをゲスト講師にお招きし、日本古来の薬草を使ったお茶について学びながら進めました。
食べることは生きていくうえで欠かせないことの一つですが、必要な栄養素を得るためにサプリメントを摂ったりするのは味気なく、食事とは呼べないような気がします。
食事は食べる事(コト)。おいしいものを食べる事はもちろん、その時間をどんなふうに作っていくのか。誰と過ごすのか。そして、飲み物も食事の中の大切な要素です。
お肉料理に合わせてワインを選んだり、食後にはコーヒーや熱めのお番茶が欲しくなるかたも多いのでは。
日本人はもともとどんなお茶を口にしてきたのか?
管理栄養士かつ、東洋医学で薬膳を学んだ新田さんから日本の各地域に根付いた薬草文化、暮らしの知恵を教えていただきます。
■ テイスティング
テーブルに並んだお茶は全部で7種類。どれも国産・ノンカフェインで市場にはあまり出回らず、地元の方に飲まれてきた野草茶です。
まずは予備知識や先入観を持たないまま、見た目や香りから味をイメージします。
色や葉の形状も様々。どんな味がするのか、わくわくする気持ちと共にテイスティングをします。
ポイントは香りをまず嗅いで、口に少し多めに含むこと。鼻に抜ける香りも楽しみます。なんだかワインみたいです。
その時の自分の体調や気分、身体が自然と欲している薬効によって人それぞれ感じる味が変わってきます。
お茶の色もさまざまで、「きれい!」と歓声が上がりました。
口に含んだ時、香りを嗅いだ時に感じたことを一生懸命書き出していきます。
味を言葉にするのって難しい…と、じっくり味わいます。
■ それぞれの薬草の特徴を知る
テイスティングのあとは、それぞれどんな薬効を持つのか、新田さんから解説です。
胃腸が弱っている、冷えが気になる、美容に良いなど本当にさまざまな薬効があります。
薬効を知らずにテイスティングしましたが、「最近冷えがつらかった…」「むくみが…」など
それぞれがおいしい、飲みやすいと感じた薬草茶と薬効が自分の状態とあっていることの多いこと。体は本能的に必要な薬効を欲しているのだと教えていただきました。
塩味・甘味・焦げ・油の味以外で欲するものは、身体で不足しているものだそう。
一度おいしいと感じても、女性の場合は特にホルモンバランスなどによっても感じる味が変わるのかもしれません。そんな変化を楽しむのも良いですよね。
■ ブレンド
今度は自分の好みのオリジナルブレンドを作っていきます。コツは単体で飲みやすいと感じた薬草をベースにすること。そこに香りや薬効で加えたいオリジナルブレンドを作っていきます。
選んだ薬草や割合によって一人一人異なる香り、色、味の薬草茶が出来上がります。
飲んでみるまで分からない。そんなわくわくも食事をより楽しくしてくれます。
この日は皆お気に入りのマグカップを持参しました。普段使うカップで飲むとまた新たな味の発見がありました。
■ 食事を楽しむ
食事の時間には、自分のブレンドしたお茶に合わせてサンドウィッチをいただきます。
第一回にお弁当箱の盛り付けを実践したときに「サンドウィッチの時はどうすれば?」と質問も上がっていたので、川上さんがお手製を作ってきてくれました。
おいしそうなサンドウィッチにみんな釘付け。
低温調理した豚肩ロースのサンドウィッチと、かぼちゃとクリームチーズのサンドウィッチの2種類。甘いものしょっぱいもの、両方食べられると嬉しいですよね。
ボリューム満点のサンドウィッチのカットのコツはアルミホイルやラップでしっかり包み、包み紙ごとカットすること。具材を挟む段階でカットの方向を決めておくと、よりおいしそうな断面になります。
そのままでもおいしそうですが、キッチンペーパーや麻紐、グリーンでをあしらうと特別感が増します。おいしいだけでなく、食べることを楽しむための一工夫が大切ですね。
お気に入りのマグカップに自分でブレンドした薬草茶を注ぎ、サンドウィッチを食べながらみんなで話す時間。そんな時間や、そこに至るまでの手間暇すべてが暮らしを豊かにするのだなと思える時間でした。私たちの身体は、私たちが食べたものでできています。だからこそ、自分が好きと思えるもの、身体が本能的に欲しているものを、丁寧にいただくことが大切なのだと思います。
次回は「暮らしの中の花。特に食卓の花について」です。次回もどうぞお楽しみに。
ゲストプロフィール:川上ミホさん