2018/11/17(sat)@東京・自由が丘
女性として、すてきになりたい。そのためには向上心を持ち、勉強をして知識を得ることも大事です。ひとりの女性としてすてきになるには、日々の暮らしをどう過ごすか、日々をどう積み重ねていくか。そこから「すてき」は作られていきます。
今月のおいしい教室 「食からはじまる 暮らしの見立て方」では、そのすてきを見出すためのひとつ、暮らしに彩を添えてくれる花について学びました。
■ 花選びは、服選びのように。
その人が選んだ花をみると、その人の好みやこだわりがみえてきます。
花選びとは、自分のすきを選ぶトレーニングにもなるのです。服を選ぶような感覚で、自分の好みやセンスに合うものを選ぶと、花選びもより愉しくなりそうですね。
川上さんがまず話してくれたのは、花も服や料理と同じようにトレンドがあること。
最近はさりげなくてナチュラルで、暮らしにうるおいを与えてくれるものが人気です。
秋冬は、まるくて可愛らしい実物がでまわるので、一緒に合わせるのもいいですね。
また、花選びではどの花屋さんに行くのかも大切。街の小さな花屋さんも増えているので、街を歩きながらお気に入りの花屋さんを見つける、なんてことも楽しめます。
はじめはどんな花屋さんがいいのか、わからない。そんな方は、まず一本だけ、
やわらかでぽったりとしたバラを買ってみるのが川上さんおすすめの方法。豊かなバラが長持ちするのは、花の扱いが丁寧でいいお店のしるしだそう。みなさんも試してみてくださいね。
■ 花の水替えは一日のスタート。
わたしのすきを選んだ花。せっかくなら長く、最後まで可愛がってあげたい。それには水がとても重要になってきます。
花を買ってきたら、まず水揚げ。水に触れさせない時間を短くすることがポイントです。水に触れる面積が大きければ大きい方がいいので、斜めに切った後は、茎の皮を少し削り、真ん中に切り込みを入れてあげること、切り口をフレッシュにすること。これだけで、水の吸収率がぐんと上がるそう。
花の種類によっても、お手入れ方法が変わってきます。茎が太いものは、少し焼いてあげると、かびや殺菌効果になります。また、水に触れるのは茎の切った部分のみ。葉っぱが多いものは、水に浸からないようにしましょう。
■ すきな花には、すきな器を。
食卓にのせる花の器は、食事の邪魔にならないように、小さくて低めにするとさりげなく、食卓にあたたかさをもたらしてくれます。
あわせる器によって、花が与えてくれる印象も変わります。グラスの器にいれれば透明感やさわやかさが際立ちます。すこし可愛すぎるかなと思う花も、色グラスや陶器の器をあわせると、ぐっと大人っぽくなります。
器に花をいれるときは、あえて主役を決めないこと。蝶々が来たら、ぽんぽんと花の周りに寄ってくるような。まあるいイメージでいれると、可愛くなるそう。
また、食卓の花ならではの愉しみ方も教わりました。器と器を組み合わせて、周りに花をのせたり。平皿を使うときは、お水をすこしいれて、片側に花をのせてあげる。そのとき石をいれてあげると、清涼感や大人っぽさが出てすてきになります。
川上さんは、海岸ですてきなまるい石をみつけたら、拾ってあげてこういうときにも使うそうです。日々の暮らしの中のさりげなさがすてきだなと感じ入ってしまいました。
それでは、皆さんそれぞれ、すきな花と器を手に取り、生けていきます。
同じ花でも、器を変えるだけで、表情も変わります。
花を扱っていると自然と所作も美しくなり、やわらかな雰囲気を感じました。
今回は、「食卓の花」ということで、それぞれに生けた花を食卓に飾り、食事をおいしくいただきました。
また、料理にも花で彩りを加えたりと、様々な愉しみ方も教わりました。いつものおひたしやおにぎりも、食卓の一工夫でよりおいしそうにみえます。
花屋で、すきな花を選んで、その花束をもって家路につく。ただいま、といつものように一息ついたら、すきな器に、花を生ける。いつもと変わらない日常が、なぜか幸せを感じられて、やさしくなったり穏やかな気持ちになりました。
花のある暮らし。それだけで、暮らしが丁寧に、あたたかくなります。
次回の「食からはじまる暮らしの見立て方」のテーマは「身体をいたわるおやつのこと」です。次回もどうぞお楽しみに。
ゲストプロフィール:川上ミホさん